東京大学で活躍する女性研究者・学生たちを紹介します。

Story 11: ともぞう

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Q1. 出身はどちらですか。 大学内での所属はどちらですか。

千葉県出身、法学部第3類(政治コース)の学部4年生です。

Q2. なぜ東京大学を選びましたか。 あなたにとって最も魅力的なことは何ですか。また、東京大学の学生であることの短所は何だと思いますか。

私にとって魅力的だったのは、学費を最小限に抑えられる国立大学であること、そして国際性が豊かであることでした。私が大学を選ぶにあたり、二つの条件がありました。一つは首都圏の国公立大学であること(遠隔地の大学や私立大学には行かせてあげる余裕がないと母に言われていました)、もう一つは学費の負担が少ない交換留学制度が充実していることです。中学時代から海外で働くことに興味があったのですが、母子家庭で金銭的に余裕がなかったので、とにかく低コストで質の高い海外経験を積むことを目指しました。東大は交換留学の提携校が非常に多く、国際的な場で仕事をするのに十分な知識を得られそうな場所でもあったので、自ずと第一志望になりました。
東大生であることの短所は、色々と心労が多いところでしょうか…。私のような平凡な学生にとって、東大は華やかすぎる場所です。住む世界が全く違うような学生がたくさんいて、常に愕然としています。

 

Q3. ジェンダーの問題で困難に直面したことがありますか。ある場合には、 どのようにそれらを克服したか教えてください。その問題を改善するためにはどんな行動が必要だと思いますか?

私自身はジェンダーに関して深刻に悩んだことはありません(もちろん、女性や性的マイノリティへの侮蔑的な発言にモヤッとすることは何度もありますが)。私の性自認はフワッとしており、まだ見ぬ好きな人は男性なのか女性なのか、そもそも人を好きになるかすら分かりません。クエスチョニングにあたるのかもしれません。でも、自分自身についてジェンダーのしがらみを感じたことはありません。自分のジェンダーについて、周りにはぐらかして伝えているからかもしれませんが…。ただ、シングルマザーである母が社会の理不尽にさらされてきたということは、痛いほど理解しています。母は妊娠を理由に解雇され、離婚後は幼い子供を二人も抱えていたため雇用されず、ようやく再就職した会社では非正規雇用からキャリアを始めました。必死に働いた母は正社員となり、順当に出世しましたが、母の収入は同じ職位の男性社員よりも少ないままです。この問題の厄介な点は、困難に面している当事者が日々の生活に追われており、声を上げる気力すら奪われているというところです。声を上げない当事者は「なかったこと」になってしまいます。それは絶対に嫌なので、来年からは記者として情報発信を頑張ることにしました。さまざまな事情で声を上げられない人はたくさんいるので、彼女たちを代弁する存在が必要だと思います。

Q4. あなたに、東京大学でまさに学び始めようとしている妹がいると想像してみてください。 彼女にどんなメッセージやアドバイスを送りたいですか。

東大生は、キャリアに関するチャンスに恵まれています。自分が人生をかけて何をやりたいのか、在学中にじっくり自問自答しておけば、納得のいく道が開けると思います。ただし、「東大女子」であれば、日本における女性の肩身の狭さを人一倍知ることになるでしょう。東大女子は驚くほど希少種だし、親戚は「女の子だからそんなに頑張らなくていいのよ」と言うし、東大の男子学生は「東大の教授っていつも男女格差のこと愚痴ってるよね笑」と言います。同級生の女の子も「東大女子お断りのサークルかぁ…それはそれで良いんじゃないの?」と言うかもしれません。学外でも多少は煙たがられます。(※以上、全部私の体験談です)それを疑問に思うのであれば、よくよく周りを観察しておくことをお勧めします。親戚でも、東大の男子学生でも、女子学生でも、バイト先やボランティア先のおじさんおばさんでもいいです。相手が「“東大”“女子”」としてのあなたにどんな言葉をかけ、どんな態度をとるのか。あなたに向けられる尊重も、偏見も、よく覚えておきましょう。観察するだけではなくて、ここぞというところでは反論し、反論できない状況下でも「むっ…覚えてろよ…」と思案を巡らせておくべきです。東大女子は、社会に出たらもっとたくさんの理不尽に直面し、最前線で戦っていくことになるはずなので。

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