東京大学で活躍する女性研究者・学生たちを紹介します。
Experience 2: サイ先生
Q. 出身はどちらですか。大学内でのご所属はどちらですか。
A. アメリカ合衆国。東京大学グローバルコミュニケーション研究センター、ALESS/Aプログラム。
Q. 大学入学から、現在のポストに就かれるまでの経歴を可能な範囲で教えてください。
A. 私はボストン大学に行き、熊本県で2年間英語を教えた後、ハワイ大学で修士号を取得し、ペンシルベニア州のカーネギーメロン大学で博士号を取得しました。 博士号を取得した後、ジョージア工科大学で1年間ポスドクをしました。 それから私は東京大学に来て、現在はALESS/Aプログラムで教えています。
Q. なぜ東京大学を選びましたか。 あなたにとって最も魅力的な点は何ですか。また、もしあれば、東京大学の研究者であることの短所は何だと思いますか。
A. ALESS/Aプログラムにおける労働環境と、共同の会議の機会やサポートをお互いに提供する点が本当に気に入りました。 このプログラムの教授は、ほとんどが世界各地からいらっしゃった外国人の方です。
Q. あなたのロールモデルはいますか。いる場合、その方はどのようにあなたに影響・刺激を与えていますか。
A. 私の専門である応用言語学の分野から、久保田竜子先生とルルド・オルテガ先生という2人のロールモデルを挙げたいと思います。 私はこの2人の能力と、この学術分野を社会的な正義を持つ方向へと導いた力を尊敬しています。というのも、少数派のアイデンティティや経験を「望ましくないバイアス」または「除去可能な外れ値」の原因として見なすことの多いヨーロッパ的なアプローチで確立された研究分野において、彼女らが成し遂げたことは信じられないほど難しい偉業だからです。
Q. キャンパス内での一番お気に入りの場所を教えてください。
A. 活動がオンラインになる直前に採用されたので、まだキャンパスを探索する機会を持てていません!
Q. 東京大学の研究者としての生活がどのようなものかを表す、3つのキーワードを教えてください。
A. 規律、情熱、つながり。
Q. あなたの研究テーマを一文で教えてください。研究で最もエキサイティングな瞬間や魅力的なことを教えてください。
A. 私は、主に複数の文化や民族性をバックグラウンドとして持っている言語使用者の経験に焦点を当てて、人種、言語、そしてアイデンティティの交差点を研究しています。 特に、アイデンティティの決めつけ、差別の正当化、民族の不平等やジェンダーの不平等の永続化において、言語がどのように使用されているかに興味があります。
「魅力的」とは言えませんが、単一の文化をバックグラウンドとし、単一言語を使用する「ネイティブスピーカー」や「単一の民族性を持つ人」と同じように言葉を話さないために、複数の文化・民族性をバックグラウンドを持っている言語使用者が「どの文化からも拒絶されている」と感じている頻度の高さには、かなりの衝撃を受けます。 この種の単一言語バイアスやネイティブスピーカーと自分自身との比較は、ほとんどの場合において彼らの第二言語のスピーキング能力の評価に非常に悪い影響を与えました。
Q. 研究者として困難に直面したことがありますか。ある場合には、 どのようにそれらを克服したか、教えてください。
A. 私は博士課程の学生の時に多くの困難を抱えていて、今でもこれらの困難について安心して話すことはできません。 しかし、セラピーに行ったり、同じような問題に直面している他の大学院生と話をしたり、私のことを気にかけてくれた教授のサポートが本当に役立ったと言えます。
Q. ご自身の生活と研究とのバランスに関して、困難に直面したことがありますか。ある場合には、 どのようにそれらを克服したか、教えてください。
A. 仕事と幼い子供を育てることのバランスをとるのは本当に挑戦です。 パンデミックの初期には多くの保育園が休業したり開園時間を短縮したりしていたので、ものすごく大変でした。 今は保育園も再開しており、素晴らしい救世主です。 保育園なしでは自分のキャリアを積むことができないと実感しましたし、東京では競争も激しいので、受け入れられてとても感謝しています。
Q. あなたに、東京大学でまさに研究生活をスタートさせようとしている妹がいると想像してみてください。 彼女にどんなメッセージやアドバイスを送りたいですか。
A. Toward Diversity、Tottoko Gender Movement、Women Empowered Internationalなどのサポートグループ/サークル/友達を見つけるようにアドバイスするでしょう。
あなたがマイノリティであるならば、自分が「普通」と感じられ、快適で、尊重されていると感じられる居場所を持つことが大事。 必ずしもマイノリティグループである必要はないけれど、あなたの文化的行動や言語使用がマジョリティの文化的規範と一致しないかもしれないことを重視できる他者と一緒にいることは、助けになるよ。
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